フォト
無料ブログはココログ

« うみたまご | トップページ | 噂のW-ZERO3 »

2005年12月27日 (火)

認知症について

 先日、友人に認知症(痴呆症)について尋ねられたので、認知症について私が理解しているところを説明してみました。覚え書きということで掲載してみました。

 認知症とは「一度獲得したものを認識したり、考えたり、記憶したりする能力が、脳機能低下に伴って低下すること」を言います。認知症=物忘れっていう印象がありますが、それだけではないんです。またいわゆ良く言う「物忘れ」と「認知症」の違いですが。物忘れは病気ではないのですが、認知症は病気であるという点が異なります。例えばパターンの違いとして「朝ご飯何を食べたか忘れたけど、朝ご飯自体を食べたことは覚えている」(→物忘れ)、「朝ご飯を食べたこと自体を忘れている」(→認知症)という点が挙げられます。つまり前者はエピソードの一部を忘れており、周辺の情報をもとに思い出す事できます。つまり自分が使った食器を見せられると、「あっ、朝ご飯のメニューは御飯とみそ汁と納豆だった」と思い出せるのです。後者の場合は朝ご飯に関わる情報の一切がごっそりと抜けているために周辺の情報を挙げられても思い出せません。つまり自分が使った食器を見せられても、朝ご飯を食べたということを思い出す事はなく、「その食器は誰か他人が使ったもので、自分は御飯を食べていない」と言います。あと他にはWorking Memoryの減少が挙げられます。Working memoryはパソコンでいうメモリーにあたるところで、Working memoryが減ると一度に処理できる情報量が減ります。例えば自動車を運転するときにはハンドルを動かしているだけではなく、アクセルを調節し、サイドミラー、バックミラーなどの確認を常に平行して行っています。ちなみに一般的に人は7つの事を同時に考える事ができると言われています。だから携帯電話で喋りながら運転すると事故を起こしやすいというのは携帯電話で話す事によって、運転に割く事ができるWorking memoryの領域がへって事故を起こしやすいと考えることができます。また老人(認知症老人)の運転が交通事故を起こしやすいというのはやはりWorking memoryの領域が減っていて、事故を起こしやすいと考える事ができます。
 認知症っていうのは一つの病気を言うのではないんです。つまり認知症を起こす病気を鑑別する必要があります。脳血管性痴呆、アルツハイマー型痴呆、前頭葉型痴呆…etcなどなどいろいろ挙げられます。認知症の診療において大切なのは1.まず本当に認知症があるのかどうかをはっきりさせる。2.認知症を生じる疾患のうち、比較的急速に生じ、治療によって速やかに改善する疾患かどうかをはっきりさせる。3.認知症を呈す疾患の診断をつけること。だと思います。
 つまり、脳血管痴呆やアルツハイマー型痴呆などは比較的に進行がゆるやかで(年単位の進行です)基本的に根本的な治療法が難しく、進行抑制の薬、対症療法、生活指導などが中心となります。しかし慢性硬膜下血腫、甲状腺機能低下症などによって二次的に生じた認知症は比較的進行が早く、治療によって速やかに改善が期待できます。だからまずはそのような疾患を除外してあげる必要があると思います。
 認知症の診断をつけるためには一度神経内科医や精神科医などの医師に診てもらうのがよいかと思われます。問診や診察で得られる情報が多いので、その時点である程度見当がつくのではないかと思われます。必要であれば検査していくと思われます。

« うみたまご | トップページ | 噂のW-ZERO3 »

【本業の神経内科】」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« うみたまご | トップページ | 噂のW-ZERO3 »