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2008年6月 5日 (木)

カフカの変身

 先日当直先の病院向かう途中、車内のFMラジオでカフカの「変身」特集が行われていました。84年前の6月3日はカフカの命日ということです。カフカとはあの実存主義文学のカフカです。
 カフカの「変身」は昔、高校の教科書で読んだことがあったか、どうか?という程度の記憶。内容的には「ある朝、目を覚ますと、自分がベッドで巨大な虫に変わっていた」程度、それだけだとなんとも不思議な小説で終わりです。もちろん、話はそれだけではありません。

 その後、虫になった主人公を取り巻く家族に主人公を部屋に閉じ込めてしまいます。唯一主人公に食事を与え、部屋の掃除してくれていた、妹までも最後は主人公を見捨ててしまいます。そうして、主人公はある日、誰にも看取られずに死んでしまいます。

 虫になってしまった主人公の描写が結構詳細であるのが、この物語の面白いところです。また、高校時代は「虫に変わってしまう」という発想自体に「フフフ…」と笑って読んでいたのですが、今回読んでみると「虫に変わってしまう」という状況のは「病(特に難病)」に似ていると感じてしまいました。
 ある日、「病のために手足が動かなくなって…」という状況、そしてそれは医学の力で治療が困難なわけです。当然「なぜ、私がこのような病に…」と考えてしまいます。しかし、人間はそのような苦難に満ちた世界のなかでも生きていかなければならなりません。このような人間をとりまく非合理さ、孤独さは被投企的です。しかしそのような被投企的状況下でも自らの意志で自分の生き方を選び取って投げ返すことができます(投企)。つまり、結果はどうあるにしろ、現状況下で自分の命を激しく燃やして世界に自らを投げ返すべく生きて行く行為そのものが実存主義的に価値のある人生ということなのでしょう。

 高校時代に倫理を学んだ時には、実存主義の考え方がいまいちピンとこなかったのですが、なんだか少しわかってきたような…、気がするだけかな?

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