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2009年7月10日 (金)

クララ症候群

 先日、論文検索をしていたら、このような論文を見つけました。
 それは「クララ症候群」。
 名前が面白いので、気になって読み進めていきました。

 クララとは、「アルプスの少女ハイジ」に出てくるあのクララです。
 立つことも歩くことのできず車いす生活だったけれど、ハイジを追いかけようとして立ちあがり、ついには歩けるようになったあのクララです。
 クララが実際なぜ歩けなかったのかはわかりませんが、
 著者らは
「本来の能力からは可能であるはずの動作ができないあるいはしない症例のことを, “クララ”症候群」と呼んでいるらしい。
 こうしたクララ症候群の診断について著者らは
「症状を一歩一歩理論的に考えていけば正しい診断が可能」だけど、
「検査所見だけに頼った診療」を行うことで「クララ症候群」を正しく診断することができないし、
「クララ症候群」はそういった「安易な検査漬け診療という風潮に対する警鐘」
であると述べています。

 たしかに、 実際に私たちも検査での筋力と日常生活動作との間での乖離している患者さんに接することがあり、
そういった患者さんに「身体的にはとくに病的な異常がない」ことを納得していただくのに苦労する場面はあります。
 当然、検査に異常がないので「身体的にはとくに病的な異常がない」という説明だと、
「さらに性能が良い検査をすれば異常が見つかるのではないか?」という考えにつながり、
さらにさらに検査を求めてさまようことにもなりかねないし。
 そこに求められているのは、科学や医療の力ではなく、
人間的なコミュニケーション力なわけですが、
むしろ結構これが難しいものだと常々感じさせられています。

Modern Physician, 25(12) : 1587, 2005.

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